組織再編会計の実務

組織再編会計の実務 (会計実務ライブラリー)

組織再編の経済合理性を高めるには、税務(適格充足による税務インパクトの最小化)、会計(移転に伴う損益・費用発生の最小化)のケアが重要になってくる。1番目の税務に関する書籍は、既に紹介したものを含め相当数あるが、2番目の会計に関して分かり易く解説された書籍はあまりなかった中、組織再編会計の基礎についてまとめられた良書を見つけたのでご紹介。

 

組織再編会計の論点

組織再編における会計上の重要論点は、大きく2つある。

もちろん、本書では会計処理の詳細も詳しく解説されているが、ビジネスの観点ではまずこの論点を押さえておけば大きくは外さないだろう。実務では、結合先企業以上に、親玉である分離元企業あるいは結合先企業の株主の利害に配慮することが求められるケースも多い。

 

2つの組織再編会計

さて、2の論点を解くためのベースとなる会計基準は、論点ごとにそれぞれ決まっている。

企業結合会計と事業分離等会計は、これから説明する通り、別々の会計基準ではあるものの、本質的には“表裏一体”のコンセプトに基づくものであり、セットで把握することが重要である。実はそもそも、論点①・②はほとんど裏表の関係にある。

 

会計処理を分ける判断要素

2つの会計基準には、それぞれ会計処理を決めるための判断要素が設定されている。

 

当事者にとっての意味合い

どちらの会計基準も、「結合先企業」と「分離元企業及び結合先企業の株主」の関係に着目している。上の要素ほど組織再編後の両社の関係は薄く、下の要素ほど濃い、といった具合である。この関係の薄さ・濃さを軸に、のれんや移転損益が発生するか否か判断するのである。

本書は、それぞれのパターンごとに会計処理の違いを丁寧に解説しているものの、当事者にとってどのような意味を持つのかが直接的には書かれていなかったため、僕なりのフレームワークで整理してみた(手書きの図)。実際の会計実務上は細かい留意点が多々あると思うが、整理してみると非常に合理的で面白い。

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“組織再編会計の実務” への1件のコメント

  1. nymuse1984 より:

    著者である新日本監査法人がwebコラムとして企業結合シリーズを連載。http://www.shinnihon.or.jp/corporate-accounting/commentary/restructuring/2010-10-01-01.html

この本についてひとこと