ライト、ついてますか 問題発見の人間学

ライト、ついてますか―問題発見の人間学 Are Your Lights On?: How to Figure Out What the Problem Really Is

問題の“発見”

本書は、経営コンサルタントをはじめとする、問題解決を生業とするプロフェッショナルの間で長年読まれている。

その理由は、今流行りの“問題解決”ではなく“問題発見”にフォーカスすることが、翻って問題解決の本質だからである。

一般的な問題解決手法(ロジカル・シンキング等)においては、議論の出発点である問題定義自体は所与のものとされ、

その問題に対して要因を解きほぐし、本質的な課題やソリューションを導くことにに主眼が置かれている。

一方の本書では、そもそも何を問題と捉えるべきかに意識を向けることを主眼とし、ジョークたっぷりの言葉や絵で

読者に刺激的な問いをぶつけ、“問題発見”とはどういうことなのか、感覚的にも納得できるよう促してくれる。

これまでビジネスや学問等の場で、徒手空拳に問題と格闘した経験のある方なら、そのジョークが身に沁みるはずである。

もちろん、「目をつぶって両足でピョン」式の思考をしてきた人にも、問題発見とは何かを根本から教えてくれる羅針盤になる。

 

永遠の問い

問題発見(=問題定義)の一番の核心は、次のメッセージに集約されていると僕は思う。

正しい問題定義が得られたという確信は決して得られない。だがその確信を得ようとする努力は、決してやめてはいけない。

100%の問題定義、100%の問題解決など、「それは、問い続けている限りは、どうでもいいこと」なのである。

問題定義というのは一度すればFixするものではなく、仮説(反証可能性命題)として正しさに近接し続けることが重要である。

問題が変化したものを、問題解決のレベルで事態を収束させようとすることは対症療法的である。

何が問題か?、どういうところを問題と呼んでいるのか?、どこに問題があるのか?、僕らはそれを本当に解きたいか?と、

くどいほど問うことで、問題を捉え直し続けるしかないのである(特に最後の問いが、最も重要にして忘れられがちな問いだ)。

 

あなたの思考の癖は?

それでも、問題解決と格闘しているうちに、問題発見・問題定義のことが頭から抜けてしまうことはよくある。

その度に本書を読み返すことで、頭を問題発見・問題定義の方に導いてくれる。

重要なのは、そうしたことを繰り返しているうちに、自分が陥りやすい思考の癖に自然と自覚的になることである

(相手が陥っている思考の癖にまで気づくことができるようになれば、立派なプロフェッショナルである)。

あなたが問題定義をするにあたって、一番意識的になる必要のあるポイントはなんですか。

もしこの問いに対する自分の答えを持っていないようだと、気づかぬうちに空回りの問題解決をしているかもしれない。



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