「イギリス社会」入門 日本人に伝えたい本当の英国

「イギリス社会」入門―日本人に伝えたい本当の英国 (NHK出版新書 354)

あなたは母国のことを語れますか

海外を訪れた時に困るのが、出身国のことを語らなければならない場面に出くわすことだ。著者のコリン・ジョイスも、長い間、日本とアメリカに住んでいた経験を持ち、うんざりするほどそういう場面に遭遇してきた一人である。母国のイギリスについて、何も知らない人に1から伝えられるほど知っていない自分。そんな彼が母国に拠点を移し、改めてイギリスについて見つめなおしたのが本書だ。したがって、イギリスという国を漠然と把握していただけの僕にとって、非常に読みやすい1冊だった。

僕は今、短期留学の準備と称してイギリス関連の書籍をあたっていて、まだ読了した数が多いわけではないものの、ことイギリスの現代風俗を扱った読み物として、カジュアルに楽しめる入門書としていい本だと思う。

 

イギリス人には当然のことこそ知りたい

イギリスといえば、先日のウィリアム皇太子とケイト妃の結婚で日本も湧き立ったものだが、イギリスの王室とはどのようなものなのか理解している日本人は、ほとんどいないのではないか。そんな王室の系譜についてや、そもそもイギリス連邦とは何なのか、もっと身近なイギリスの都市生活事情やパブの楽しみ方に至るまで、一級の記者だけあって、旅行誌を読むより断然に現地に詳しくなる話題が19話、収められている。

1話あたりのページ数は10ページ前後だから、内容の深さは物足りなくもないが、現地の人が好む話題や、階級社会の実態など、イギリス人には当然と思われていて、かえってなかなか紹介されないことを取り上げてくれているのが貴重。

 

“らしさ”の強いイギリス

ジョージ・オーウェルの『1984』やBBCのエンターテイメント番組「トップ・ギア」、ブリティッシュ・ロックなど、個人的にイギリス発のものが好きにも関わらず、詳しいところは何も知らず、イギリスを「近いようで遠い存在」にしてしまっていた。僕だけでなく、アメリカやBRICsに知識があっても、イギリスのことは知らないという日本人は多いのではないだろうか。

こうして改めてイギリスのことを深堀ってみると、良くも悪くも独特のイギリスらしさを忘れない彼らがとても魅力的に見えてくる。僕の好きなトップ・ギアのジェレミー・クラークソンは、本国では嫌われているようだ。。。



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