グループ経営力を高める本社マネジメント

グループ経営力を高める本社マネジメント―低成長期の組織戦略

元気な会社は本社が花形

あなたの会社の本社は、事業部から嫌われていないだろうか。

経営企画や経理・財務、法務、人事等の「本社」業務は、確かにラインには理解しづらい。

特に昨今の経営環境においては、本社がお荷物に見えてしまう場合もある。

また、大掛かりなリストラクチャリングや事業ポートフォリオの大転換などの、

会社の舵を大きく切る際に、悪者役を買って出なければならない場面もあるため、

嫌われるのが仕事という側面もないわけではない。

しかし、スタッフがラインから花形(有能)と目されている会社は、総じて元気であるように思う。

経営企画部を管理職養成機関として位置づける総合商社や、

経営者への登竜門とするGEなどは代表的な例である。

 

有能な本社を作るための2つのステップ

有能な本社を一朝一夕に作ることはできない。

大きくは2つのステップで検討する必要があると考えている。

本書のテーマは、Step1(Passive Corporate)にあたる。

具体的には、既存の本社組織を果たすべきミッションで分類し、機能群として括り直すことで、

①業務の漏れや無駄を整理し、②社内サービス(物流や給与計算等)のコストを削減する。

著者の前職での体験(建設会社で本社部門のリストラを経験)をベースにしているところもあるためか、

アプローチ自体は当たり前のリストラクチャリング、リエンジニアリングに近いが、

事例を交えながら、具体的に解説されている点が参考になる。

 

本社機能のトレンドの変遷

著者は、日本における本社のあり方を、時代ごとに大きく以下のように捉えている。

こうやって捉え直してみると、改めて今、本社に求められているものが明確になる。

低迷期までは、バックオフィスとしてラインからはみ出た業務に対応する位置づけなのに対し、

再成長期以降は、「グループ経営」や「グローバル対応」の中で、斬新的な改善から

抜本的な改革の必要性が増え、本社がトップダウンで問題解決を担うようになってきている。

 

Active Corporateの時代

その意味で現代は、Active Corporateを求める本社改革の時代と言うことができる。

しかし、Active Corporateの時代だからこそ、

筋肉質なPassive Corporateに一度シュリンクする「急がば回れ」が重要になる。

実際、全社戦略の推進力となるような企画機能を設計したい企業も多く、

過去に新しい本社機能を追加したという企業も、似たような組織の乱立やコスト増等から

社内の協力が得られず、結果、本社がうまく機能しないことも珍しくない。

まずは、本社の基本機能を徹底的に定義し、リソースを割くことの必要性を共有することが重要だ。

こうした観点から本書では、「本社機能一覧表」で本社機能の抜け漏れを確認したり、

機能分析に用いるExcelを例示するなど、Passive Corporateの具体的な設計方法について、

作業ベースに踏み込んだ説明をしている。

 



“グループ経営力を高める本社マネジメント” への1件のコメント

  1. nymuse1984 より:

    Active Corporateについて参考になるA.T.Kearneyの記事 http://www.atkearney.co.jp/event/article/art_031001.html

この本についてひとこと