「最高の授業」を世界の果てまで届けよう

「最高の授業」を、 世界の果てまで届けよう

ある日、テレビをつけると、社会起業家だという1人の若者が、自身の事業について身を乗り出して語っている姿が目に入ってきた。彼は高校時代、勉強についていけず落ちこぼれていたが、受験期に東進ハイスクールのカリスマ講師達の映像授業のめり込み、見事、周りの予想を裏切って早稲田大学に入学する。そして、その予備校での体験を活かし、世界の開発国に映像授業を届け、現地の教育問題を次々と解決しているというではないか。

 

“なぜ気づかなかったのか!”の社会起業

教育問題があると聞きつけては、現地のカリスマ講師に協力してもらい、スラムや僻地でも無料で最高の授業を受けられる環境を作る。マネタイズではまだまだ課題は多いものの、金銭的に貧しい生徒、人手やスキルが足りない教師、国を憂う一流の講師の、誰の痒いところにも手が届くこのモデルは、バングラデシュ、パキスタン、インドネシアなど、各国で受け入れられていく。

この話を聞いて、僕は衝撃を受けた。僕も高校で相当落ちこぼれながらも、彼と同じく東進ハイスクールの映像授業で学問の楽しさを知り、早稲田大学に入学をした経緯があり、学生時代はそうした学ぶことの面白さやコツを塾講師として何とか伝えてきたが、そんな風にもっと多くの人に展開する手があったのか!なぜそんなシンプルなことに気づかなかったのだろう!

この日から彼、税所篤快の五体陸ドラゴン桜e-Educationは、心の片隅で気がかりな存在になった。

 

クレイジー、だけどとにかくオモシロイ

しばらくして、僕は会社の先輩からたまたま「イノベーション公志園」というイベントに誘われた。そこにスピーカーとして彼が来るというではないか。こうして僕は幸運にも彼から直接話を聞けたのだった。彼はそのイベントで、事業を立ち上げた時の大きな挫折、各国で体験した困難と成果、そこで得た仲間、そして何より楽しさについてひとしきり語った。そのプレゼンが妙にオモシロかった。

彼が映像授業で関わってきた各国のカリスマ講師達のプレゼン術を盗んだり、DELLのコンペなど大舞台でプレゼンの経験を積んできたからこそだと思うが、それ以上に彼の類稀なる行動力がそう感じさせるのだ。突然バングラデシュに行ってみたり、落ち込んだと思ったら次の日には五大陸に事業を広げるという唐突さ。こういう力を持つ彼だからこそ、多くの人を巻き込んで、ここまでうねりを作ってこれたのだと氷解した。

実は、本書にはこのイベントで僕が聞けた話以上の彼の格闘が、もっと詳しく紹介されている。彼の“クレイジーさ”には、あなたにもきっと学ぶべきところがあるはずだ。

 

e-Education×自分

さて、彼のプレゼンを楽しんだ僕らには、何が残るだろうか。それは、彼の「こんな僕ができるのだからあなたにもできる」という呼びかけにどう応えるかである。彼を支援するリクルートキャリアの水谷社長も言っていたが、誰もが彼ほど“クレイジー”にはなれない。しかし、自分だからこその仕方で何かチャレンジすることはできるはずだ。

僕は、うーんとしばらく考え込んだ末、呼びかけへの答えとして2つの方向性を出した。ひとつは、コンサルティングで身につけてきた儲かる仕組み作りのスキルを活かして、彼のような社会起業をマネタイズし、より持続可能なビジネスにする手助けをしていこうということ。まず明日からできることは、おそらくここからだろう。もうひとつは、自分も起業したいアイディアに出会ったら、迷わずトライしようということ。彼ほどの無謀さには程遠くても、僕自身も一度突き抜けてみるところまでやってみなければ。

The end of life is not knowledge but action.

 

なお、現在彼はロマ版ドラゴン桜に奮闘中。このプロジェクトは既にファンディング済みのようですが、是非応援を!

e-Education_Readyfor



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