「これからの世界」で働く君たちへ

伝説の元アップル・ジャパン社長の40講義 「これからの世界」で働く君たちへ

世界で活躍する人を間近に感じる

本書の著者は、日本IBMや日本オラクルでマネージャーを務め、スティーブ・ジョブズ率いるアップルではアップルジャパンの社長として活躍されるなど、外資系企業を長年渡り歩いてきた山元賢治だ。オラクルのラリー・エリソンやアップルのスティーブ・ジョブズや、日本のソフトバンクの孫正義氏やファーストリテイリングの柳井正氏に出会い、身近で観察する中で、彼が体で感じてきた世界標準の働き方や仕事の哲学を本書に綴っている。

「HOWではなくWHYを問う」、「物事をとことん端的に伝える」などのTipsは、コンサルティングファームで働いたことのある方には改めて読んでも目新しさに乏しいかもしれない。目次を見てそう感じたら、ジョブズの伝記や柳井氏の著作をはじめから読んだ方がいいかもしれない。一方で、これから世界に打って出ようという気持ちのある学生や若手社会人向けにオススメの一冊だ。世界で活躍する人の働きざまは、若者の心に火をつける力強さがある。

 

エンジンは“強烈な好奇心”

著者は、世界で働くための武器を、40にまとめて紹介していく。本書中では40が並列的に並んでいるが、大きくマインド群とスキル群に分けられると思う。

好奇心、WHYを問う力、情報を選り分けるアンテナの高さ、引き出しの多さ、人とのつながり(人脈)、新しく変わり続けること

ネイティブと戦える英語力、物事を端的に伝える力、“感動”を意識したプレゼン、優先順にに基づく動的なタスク判断

上記は、個別に見るとどれも大切だとは分かりながら、なかなかそう上手く身につかないものばかりだ。本当に大切なのは、著者も強調するように、何事も“強烈な好奇心”を持ってこそ上手くいくということだ。強烈な好奇心があってこそ、WHYを問うことにつながり、必要とする情報に対する感度も高まる。スティーブ・ジョブズを偏執狂のように突き動かしてたのは、強烈な好奇心に他ならない。

 

「自分の中の達成感」を常に確かめる

しかし、どうやって好奇心を見つけたらいいのか。結局は誰もがこの疑問にぶち当たる。この点についても、著者は読者にヒントを与えてくれている。それは、「自分の中の達成感」を常に確かめるということだ。自分が何に興味があるのか曖昧であっても、その時々の自分の行動を振り返り、そこに達成感を感じられているかを常に問い返すことで、だんだんと漠然としていた好奇心の輪郭が見えてくる。

著者が見てきた経営者達も、紆余曲折を経て、ようやくミッションにたどり着いたようすが分かる。また、そうした手探りの好奇心探しの経験は、どこかで必ず財産になる。

You can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards. So you have to trust that the dots will somehow connect in your future. (Steve Jobs)

著者が読者に送った一番のメッセージは、このことだったのではないか。



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