日本男児

日本男児

人間は、タフな環境に身を置くことで、人間性や能力をストレッチさせることができる。

タフな環境というのは、お互いの妥協を許さない環境、結果が求められる環境のことだ。

こういう話題になると、日々の平穏を幸せと感じる人もいるのだから、

人それぞれ選択する環境は違うという話によくなる。

ちなみに実際、日経産業新聞のアンケートでも競争的な環境を望まない人が多いとの結果がある。

 

新入社員調査、グローバル化とミスマッチ、「競争慣れていない」も目立つ
(日経産業新聞 2011年5月2日)

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一方で、そうは言いながらも、タフな環境を生き抜く人が“かっこいい”のは間違いない。

「安定」・「横並び」の馴れ合い的環境では決して身につかない、視点の高さや物事を前に進める実行力。

彼らは、日々チャレンジを続けることで、そうすることでしか身につかない“心の強さ”を高めている。

そうした“かっこいい”日本人として今、真っ先に挙げられるのは、グローバルに活躍するサッカー選手だ。

本書は、そのトップを行くインテルの長友佑都選手が、これまでのチャレンジと想いを綴ったものである。

今ではよく知られたことだが、長友選手は小学生の頃にジュニアクラブの試験に落ち、

大学では当初、サッカー部のベンチ要員として、応援の太鼓叩きをしていた。

そこから這い上がってきた彼の言葉は、非常に平易で、かつ読者を燃え立たせる力がある。

 

僕が汲み取ったポイントは4つある。

 

なりたい姿を描く

僕は自分の未来像、なりたい自分像をいつも意識している。
それは日々進化し、微調整を繰り返しているけれど、
今の自分と未来の自分との距離を測り、今、やるべきことの追及は怠らない。

彼は、普段から「なりたい自分像」をイメージし、「長友らしくない」ことはしないよう心掛けている。

CSKAモスクワの本田圭佑選手も、自分像を確立するため露出するメディアにもこだわっているとか。

どんなヒロイックな姿でもいいから、到達点を描かない限り、今日やるべきことは逆算できない。

僕は、一流選手や一流企業家が自分と同年齢で成し遂げたことを思うと、

悔しく情けない思いに駆られることがあるが、それでも「なりたい姿」は変えずに

鼻先にぶら下げておいた方がいいと再認識させてもらった。

 

課題をシンプルなアクションとして言葉にする

レベルの高い環境に身を置いても、「自分にはなにが足りないか」を感じとらなければ、成長はできない。
そして、足りないなにかを明確に分析し、具体的なテーマへと変えていく力も必要だと思う。

これはなかなかレベルの高いことではあるが、非常に本質的なポイントである。

どんなにやる気に満ちていようが、やみくもに努力するだけでは成長できない。

やる気だけで突進すると、何が問題なのか分からず、頑張っても時間だけが過ぎていく。

そんな時は、自分が何に行き詰まっているか、状況を打開するには何が必要かを考えるのが早道だ。

物事が30分進まなかったら、もう一度やり方から組み立てなおすというルールを胆に銘じよう。

 

欠点より長所にフォーカスする

長友選手は、自分の力量よりも大きな舞台で勝ち抜いていかければならない場面に何度も遭遇している。

そんな彼が行き着いた答えは、「ストロングポイントでは、絶対に負けない」というシンプルな答えだった。

彼は幼少の頃からこれを実践していて、常に強みに目を向け、

かつそれを周りにもアピールすることで、活躍の糸口をつかんでいく。

平均を少し上回るオール・マイティより、1点が突き抜けたやつの方が、

他に代わりがいない分、当然ながら活躍の場は広がりやすい。

体力では誰にも負けない。1対1の競り合いでは絶対に負けない。

そう信じたら、後は1日も欠かさずに強みを磨き続けること。

 

常にポジティブを保つ

言うまでもないが、長友選手も当然ながら常に本心からポジティブでいられるわけではない。

彼は、プロ1年目を「悪いことが連鎖のように続く。苦しい毎日だった」と振り返っている。

重要なのは、「苦境に立たされたときは、無理やりでもいいから、ポジティブなイメージを抱く」ことだ。

正直なところ、空元気でしかない。

それでも、ポジティブなイメージという形から入って、具体的に体を動かしてみる。

こうやって、調子の悪い時に自分でもう一度エンジンをかけるコツを知っておくことは、

誰もが抱える好不調のバイオリズムと付き合い、長くパフォーマンスを持続する上で、

非常に重要なことだと思う。



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