仕事頭がよくなる アウトプット勉強術

仕事頭がよくなるアウトプット勉強法

仕事ができるようになるとは

“仕事ができる”を、資源(ヒト・モノ・カネ・時間)の投入量に対して最大の生産性を得ることだとすれば、

ビジネスマンにとって、仕事ができるようになるための方法論は、大きく3つになる。

“仕事ができる”系の本を選ぶときには、この3つの違いを意識することが重要である。

本書はというと、“時間”の生産性改善が主ではあるものの、ITベンチャー経営の経験に基づく

“ヒト”の生産性改善に関するヒントが非常に印象に残った1冊だ。

 

時間の生産性改善

“時間”の生産性改善は、どこまでも方法論(How To)なので、やれば身につく。

方法論とは、工夫次第で生産性を改善できる、行動テンプレートのようなものである。

著者は、そうした方法論のひとつとして「コンビニジュース集中法」を紹介している。

これは、タスクを時系列で1列に並べ、目の前のタスクから集中的にこなしていくという考え方で、

コンビニのジュースが手前のものから売れていく仕組みになぞらえている。

目の前の課題に100%集中することは、最近の仕事スタイルが常態的なマルチタスクに

なりやすいことを考えると、見直されるべきやり方かもしれない。

著者の会社では、採用基準として“成功の再現性”があるかどうかを掲げているという。

このように物事を仕組み的に捉える(方法論化する)能力は、成功を再現するための力の一つである。

 

ヒトの生産性改善

ただし、「コンビニジュース集中法」は、重要性を判断し、タスクを適切に設計できることが前提だ。

当然、ただ目の前のタスクをこなすだけではパンクする。

成果に結びつく仕事を嗅ぎ分ける能力が必要なわけだ。

本書では、こうした“ヒト”の生産性をどのように高めるかについて、体系的に議論していない。

しかし、ところどころに盛り込まれている増永社長の経験談からエッセンスとして読み取れるものがある。

例えば、増永社長は話し相手が薦める本は、必ずその場ですぐ注文し、目を通すという。

薦めるほどの本であれば、相手の問題意識とのリンクが高く、会話の重要な糸口になるかもしれない。

些細なことだが、そうした想像力を日々働かせていくことでしか、嗅覚を養うことはできない気がする。

増永社長は、それをストイックにやったからこそ今がある。

ちなみに、この「すぐ本買い」は、僕もずっと真似している。

 

できる人の決定的な違い

個人的に前面的に自己啓発やハウツーを押し出す本は嫌いだが、

本書は、全体を通して増永社長のモチベーション、コミットメントの高さに魅かれる面白い本だった。

特に、増永社長は、本書の中で「自分の人生にかかわる投資」のみに固執していた中学時代のエピソードを

紹介しているが、(改めるべき部分もあったとはいえ)飢えたように何かにのめり込む体験をすることが

その後の糧になるというのは、個人的に強く腹落ちするところがあった。

村上龍は“飢える”と表現したが、憑りつかれたように物事に取り組んだ経験の有無が、

何事に対しても問題意識の持ち方の決定的な差につながる。

そうした経験との出会いのチャンスをしっかり作ろう。それが一番のメッセージのような気がする。



この本についてひとこと