しくみ図解 化学製品が一番わかる

化学製品が一番わかる (しくみ図解)

化学アレルギーのための化学製品の入門書

ポリプロピレングリコール(H[OCH(CH3)CH2]nOH)、α-オレフィンスルホン酸塩(RCH2CH(OH)(CH2)mSO3Na)・・・。化学業界に足を踏み入れると、普段は見かけない暗号のような化学製品に出会う。化学業界の研究とは、身の周りにある発泡スチロールや洗剤、ペットボトルなどの“もと”を辿る旅であり、アメリカ化学会のCAS登録番号で3,000万種類もあると言われる、膨大な化学製品との格闘である。

本書は、そんな風に聞くとアレルギー反応が出る、化学の苦手な学生・社会人には有難い手引きだ。化学業界に長年身を置いてきた著者は、複雑な化学式や、見た目には分からない化学製品の特徴を見分けるための分かりやすいフレームワークを提供してくれている。僕も化学が苦手なのだが、本書はそんな僕でも読みやすいくらい平易に記述されている。

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まずは化学業界のサプライチェーンを理解する

化学業界を理解する一番のキモは、化学メーカー各社がどこの工程を担っているかを特定することにある。例えば自動車業界であれば、Tier3(部材)⇒Tier2(部品)⇒Tier1(コンポーネント)⇒完成車メーカーと、シンプルなサプライチェーンになっていて、作っているものも目で見て明らかに違うので分かりやすいが、化学業界の場合は、物質Aを複数の会社が少しずつ反応させてようやく最終製品に辿り着く長いサプライチェーンになっていて、しかも、物質Aにある分子が加わって物質Bになったところで素人には何も見分けがつかない点が事を厄介にしている。

そこで本書では、原料⇒基礎化学品⇒有機化学品⇒(高分子化学品⇒高分子成型加工品⇒)最終化学品というサプライチェーンのモデルを示した上で、それぞれの工程に当てはまる代表的な物質や製品を例示することで、企業Aの製品がどの工程を担い、何を仕入れ、販売したものが何に加工され、最終的に何の商品になるのかがイメージできるようになっている。ここが分かってくると、企業Aのバリュードライバーが具体的に見え始めてくる。

 

化学製品を見分けるためのちょっとしたTips

その他にも、化学が苦手な人の痒いところに手が届くTipsが多数記載されている。例えば、有機化学品と無機化学品の違い、モノマーとポリマーの違いのような基礎知識は当然一通りカバーされているし、化学製品の名づけの法則(炭素水素・アルキル基+官能基の構造)は化学品の名前から事業や製品をイメージするための重要な手掛かりになる。

また、本書後半では、代表的な化学製品について1つの製品で見開き2ページを使って、製法・化学的特性・用途などが詳しく紹介されているので、既に調べたい化学製品が決まっている方は、後半の必要なページをピックアップして読めば必要な情報が手に入る構造になっている。電子・電池材料用途などの高機能材までカバーされている。

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