金持ち父さん 貧乏父さん

金持ち父さん貧乏父さん Rich Dad Poor Dad: What the Rich Teach Their Kids About Money--That the Poor and Middle Class Do Not!

先日、僕の同期でファイナンスに明るいコンサルタントから、言わずと知れた本書を薦められた。

僕は、先入観で怪しい投資ハウツー本だと思っていたので、不遜ながら目を通しておく程度の感覚で読み始めた。

すると、もちろん手放しで絶賛するわけではないが、本書にはSomething Newのアイディアがあるようにも思えた。

大きくは次の2つのキーワードに集約されるだろう。

①お金を自分のために「働かせる」こと

②お金を儲けるためのスキルは学んで身につけるものであること

 

①お金を働かせる

お金が働くというのは、新たに多大なコストを投入しなくても保有資産が自動的にお金を生み出すことを表している。

一番分かり易いのは銀行預金に対する利息だが、その他にも固定資産(土地・不動産等)の活用や、

ウェブコンテンツ(無形資産)に対する広告収入なども、24時間、自分の代わりに働いてくれる。

この考え方自体は特に新しい概念ではなく、本当のお金持ちと呼ばれる人たちは当然していることであるが、

僕らにとっても、必ずしも実労働の対価としてお金を得るという考え方にとらわれず、

どうすれば自分の持っている資産にレバレッジを効かせることができるのかを考えるべきだというヒントを与えてくれる。

 

お金に対する考え方を転換する

これまでの「これでお金が儲かる」本の多くは、余ったサラリーの投資運用指南であり、現状のパラダイムの延長線にある。

要は貯蓄し、安全かつリターンの高い運用先へ投資するという、現状の利回りを改善することに留まる。

一方、本書のアイディアはそのルールから抜け出そう、つまりお金をもらう側からつくる側にシフトしようという提案である。

お金をもらう側とは、お金に雇われている人、つくる側とは前述の通り、お金を働かせて更なるお金を生み出す人のことだ。

お金をもらう側は、利息や税金を引かれて余ったパイをやりくりするという“Debtベースの考え方”をする一方、

お金をつくる側は、そうしたものを引かれる前の、そもそものパイ自体を大きくするという“Assetベース”に主眼を置く。

資産は私のポケットにお金を入れてくれる 負債は私のポケットからお金をとっていく

この概念は、ビジネスでは意識されることもあるが、ことプライベートとなると意外に無視されていると著者は言う。

例えば、住宅ローン等の負債を、目に見える物が手に入るせいか、資産と考えてしまわないだろうか。

見かけの資産ではなく、収入のフローを増やす“本当の資産”に目を向けることが、金持ちへのカギである。

 

②お金を儲けるためのスキルを身につける

著者は“本当の資産”の例として、次のようなものを挙げている。

自分がその場にいなくても収入を生むビジネス、株、債券、投資信託、不動産、手形・借用証書、著作権・特許権。

しかし、銀行預金より多少ましな運用先に“貯金箱的”にお金を積み立ただけでは、お金をもらう側から抜け出せない。

“本当の資産”を見極め、活用するには特別なリテラシーが必要というのが、著者の主張である。

このような、感情に流されない損得勘定の考え方やリスクのわきまえ方を総称して“ファイナンシャルIQ”と呼んでいる。

この本が持て囃されたのはネットバブルの頃だったと記憶しているが、リーマンショックを経て、

何を今さらという向きがあることは重々承知している。

しかし、このリテラシーが、特に昨今の高リスクな環境下だからこそ、より必要であることは間違いないだろう。

(著者が販売しているフィナンシャルIQグッズの良し悪しについては、ノーコメント。)



この本についてひとこと